読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

少年は今日も夢を。

ただひたすらすきなことを。

みんなが知らない貴方


このまま何処かへ連れ去ってと言ってしまいたかった。

送別会が行われた。

「あーあ。濵田先輩異動しちゃうんですねぇ・・・」

「すごく寂しいですぅ〜」

「えー?(笑)隣の店舗おるからいつでも電話してきたらええやん(笑)」

彼の周りには耳につく声を発する媚び売り女達が纏わり付いている。

ちょっと引きつりながらも今日は運転してきたからとコーラを片手に答えているのは、今日の主役なわけで。

あの中に彼がお酒を飲めないことを知っている人はどれだけいるんだろう。

そんなことを思いながら私はビールを飲み干しお手洗いへと席を外す。

曲がり角で手首を掴まれた。

「しーっ!」

『ちょ、っと、濵田先輩っ』

「あぁ疲れたわぁ・・・」

そう言って、ネクタイを緩める彼。

細い指が妙に色っぽい。

『なんで・・・』

「え?お前がビール一気飲みしてたから。」

そう言って、彼は煙草に火をつけた。


みんなが知らない貴方

私はたくさん知ってるの。


言い訳。

今回はひなちゃんの一文です。


お相手は濵田さん。

職場の先輩濵田さんとは好きなのかどうなのか、なんとも言えない距離で。

そんな中濵田先輩に異動が出てしまい、最後の日に送別会をしている最中、といったところです。