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少年は今日も夢を。

ただひたすらすきなことを。

口角を上げずにはいられない

春霖

じゃあここなんで。と傘を渡されそのまま去っていった彼女。

傘を渡してくれた時に触れた手が少し熱い。

しかし、彼女がお喋りなことに驚いた。

伝説の他にもよく質問をしてくれて。

部活はやってたのか?とか大学はどこだったのか?とか。

その代わり、彼女のことも知れた。

彼女は大学在学中に留学していた帰国子女で、中国に行った時に笑窪の伝説の話を知ったのだとか。

もう中国語はあんまり話せないんですけどね。なんて言っていたけど。

「、、、帰るか。」

彼女が住むマンションを後に歩き出す。

彼女の社内の恐らくほとんどが知らないであろうことを沢山知れたことに少しの優越感を憶える。

小さく鼻歌を歌いながら彼女の傘で雨を遮りながら。

通りすがりの人達が振り向くけれど、今はそんなことはどうだって良かった。

この春霖さえも邪魔ではなかった。

最早こいつのお陰とさえ思い始めている。

こいつなんて言うたらあかんな、、、貴方様。

貴方様のお陰で彼女と近づけました。

「あ、、、。」

水溜りに革靴がはまったけど、今はそれすらも楽しかった。

 

 

口角を上げずにはいられない 

全部が俺の味方!