少年は今日も夢を。

ただひたすらすきなことを。

一瞬NEWSを齧ったジジイが染、色を観た話。

多分長いし、意味わからんこと書いてるだろうけど。

今これを書いてる段階で3回(3回目は飛ばしながら観てる)観てるのでそれぞれで思ったことと言いたいとこだけ書く。

 

 

 

 

 

 

 

シンプルにこれシゲアキの話?と思った

初見の感想はこれでした。え?っこれシゲアキ自身の話じゃない?ってくらい、正門演じる深馬の言葉がシゲアキすぎてちょっとてかだいぶサブイボ立った。笑そうやって見てしまったからか、深馬を取り巻く人間がNEWSに見えてきて、ちょっとどうしよう、という感じでした。でも、今思うと、原田も北見も滝川も杏奈も真未も全員に彼っぽい部分があって、これは彼の彼自身に起こった彼だけの話なのかな、とも思ったり。杏奈の終始不安な感じとか、滝川の深馬が恨めしい部分とか、北見の明るくみえるけど実は周りにちょっと縋ってる所とか、原田の冷静なんだけど周りに流されちゃう感じとか。深馬も深馬で、一番シンプルに弱くてめちゃくちゃいい。何かに没頭する人ってめちゃくちゃ個性が強い人間だと思ってたけど、深馬を観てると全然そんなこともなくて、シンプルな人間だな、って。グループで一番個性がないって言われてる正門だから無駄なこだわりというか蛇足がなくて深馬は正門のために生まれたんじゃないかって錯覚するくらいハマってたな、って。初見はそんなこと思ってたかな。なんとなく、シゲアキがどういう人でこういう文章を書いて、どういう言葉を発するかというのを分かった上で観たのもあってシゲアキありきの考え方を無意識にしたかな、という感じだったかもしれない。

 

シーレって誰や、、、?

2回目の感想はこれでした。ふと、滝川が参考にって深馬に渡した画集が誰の画集なんだろう、てか実在するんか?と思って気になってしまって巻き戻して停止した。笑アーカイブはこういうことができるから最高ですね。ありがとう先生。よくみたら『SCHIELE』って書いてたので検索かけたらおるやん、、、っていう。こういうところ細かいねシゲアキさん、、、。こうなったら調べるじゃないですか。オーストリアの画家で独自の絵画を追求した人ってでてくるやんしかもこの人秋に亡くなってんのよ、、、奥さんの後追ってんじゃん、、、っていう。え、深馬ですか?みたいな。この辺からもうニヤケだすよね。(変な人すぎるね)深馬の生い立ちがシーレにちょっと似ているところがあってこの変も投影されてると思い始めるよね。そしたらもうその見方しかできなくなって2回目はシーレやん、、、で終わりました。笑ここで秋に間違って咲いた桜は春に咲かないな、って思ったんですよ。自分は。ある意味死んだからかな、って。

 

描写の話

ここからは気になったことをポツポツ書いていく。行ったり来たりするかも。まず、今までシゲアキの小説読んでて思ってたのは、いのうえひさしの『吉里吉里人』みたいな書き方だな、って。ど頭から描写が細かく書かれていて、自分は文字を全て脳内で映像にして処理をしていく人間なので、シゲアキの文章は細かすぎて処理が追いつかなくて途中でパンクするみたいな感覚に陥ってしまうのでそんなに多くは読んだことはなくて。持ってはいるけど読んでいない本が何冊か正直あるくらいに読むことに労力を使う書き方をするなって言う印象だったんです。いのうえひさしの『吉里吉里人』にも同じ感覚を覚えたことがあって、その時は途中で断念したんですが。個人的にはそんなイメージだったので、十二分に情報を与えてくれる描写は一体どういう風になるのかな、って思ってたんです。映像でも描写は細かかった。笑朗読が入る感じとか、たまに出てくる説明のようなセリフとか。そういうところで補ってるというか溶け込んでてうわ情報量!って感じでした。笑一回じゃ全部観切れないくらいにいろんなものが散りばめられてる。だから3回観たんだけどね。それでもまだ拾えてないと思う。

 

色の話

染色って言うくらいなので色の話もしておく。一応色彩心理とちょっと齧っているので(つい最近色に関する検定を受けたので勉強してた程度だけど)そういう目線でも観てしまってたんだけども、始めに深馬が着ている服は上が白、下がグレーっぽい色でまだ、何も気づいてないから白い。でも真未の存在を認識し始める(自分の書いたものに誰かが書き足してるっていう認識だけど)から下は色がある。真未が顔を出す頃(制作展)には白の面積が減ってきていて変わっていってることを表しているのかな、と。あと真未が現れて真未が腕に足す色が白→黄色→ピンク→青→赤って変わっていくんですよね。原作ではどうやらその日の気分みたいなことを書いてるらしいんだけど(自分は読んでないので友人に聞いた)ここの色の展開がすごく良くて。白はまだ真未を知らない=染まってないから白、黄色は真未と深馬が出会った衝撃、ピンクは真未を知って、真未を求める、青は絵が壊されて作品展に出せなくなったけど冷静に返す(見かけでは怒っているように見えない)、赤は絵を壊した犯人が真未だと気づいて怒りを抑えられなくなる、って言う風に深馬の感情とリンクしてるんですよね。これが意図的じゃなければ怖すぎる。ちなみに深馬が冷蔵庫に隠したスプレーの色は紫だったと思うんだけど、紫は二面性をもつ色なのでそこでも真未は深馬であることを表してる気がします。それに真未が黒い服を着てるのは、染色してるからかな、と。色は重ねれば重ねるほど黒に近づいていくものなのでそういうところを表してるのかな。あと深馬と北見が取っ組み合いをしているところに真未がスプレーを吹くところ。あそこだけ照明で表現されてるんですけど、その色が緑なんですよね。緑も中性色なんですけど、一般的に癒しとか中立とか平和とかそういうイメージを持ちやすい色なので、あのシーンにはある意味似合わない色なんですよね。でも、そこで緑っていうのは、あれはシゲアキが自分自身の話として投影してるとすれば、自分の意志でしたこと、みたいな意味を持つのかな、って。だから敢えてメンバーカラーの緑を使ったのかなって。真未は深馬自身でもあるから。ってそこまでは考えすぎかもしれんけども。深馬の服が黒に変わる瞬間も絶妙だったし。あれは完全に深馬が真未に縋りきった後だったし、時差で深馬の腕に色が付いていってるのもよく考えればこれ伏線やん、、、!っていう。真未と一緒にいる時に深馬は腕を染色してないから腕に色が付くはずがないんですよ。なのに付いてるということは真未は深馬だということ表してたのか、、、と3回目で気づいて呆然でした。笑他のところ考えてたよね。

 

伏線の多さ

ちょっともう色々書き出したら止まらないし、自分の体力も限界なので(何故かものすごく疲れる。ここの部分を書いてる時点で3日は経ってる)ここはサクッと書きたいところです。シゲアキの小説の凄いところはいのうえひさしみたいな細かい描写を書きながら着実に時間軸を進めていって、その中にもありとあらゆる伏線をぶっ込んでそれを全部クライマックスで回収する、謂わば伊坂幸太郎的展開なんですよ。それは舞台になっても勿論ちゃんとあって、観れば観るほど視点が変わっていって、こことここが繋がってたんか、、、!みたいな目から鱗的状況が何回観ても続くわけですよ。今回自分が観て思ったのは上述のシゲアキ自身の話じゃないか、ということと、シーレの生涯をモチーフにしてるのでないか、ということですが、他にも絶対にあるんですよね。例えば何回聴いても『トマトスープを飲み干したみたいな顔』の一文だけが残る小説とか、深馬と真未が書いた絵とか。意味もなく書いてるわけでは絶対なく、ああいうところからも実は深馬と真未は同じ人間なんですよっていう部分をその部分からもヒントというか答えというかそういうものを出してるんだろうなって思ってるんです。ただ、それが何か分からない。笑小説は何回も巻き戻して聞き取ったけど検索かけても出てこなかった。紙質的に新潮文庫っぽいなってことくらいしか分からなかったです。笑(ちょっと上が赤っぽいのって新潮さんあったよね?)そこが分かればもっと面白い深読みができそうだなって思ってるんですけど、芸術には詳しくないので断念しました。つらい。

 

考察でもなんでもない感想とも言い難い言葉の羅列でした。笑個人的にこういう人間の弱さが見える話はすごく好きで、共感できるからというより、なんか今日も自分って生きてんだなって気分になれるんですよね。人間誰しも強くなんかなくて、どこかしら弱い部分があって、それをうまく隠せる人もいれば隠せない人もいるし、誰かに話して頼ることができる人もいる。そうやって人って生きていってるっていうのを具現化したみたいな話だったので、色々考えることができたし、いらん深読みもできて非常に楽しい舞台だったな、と思いました。ただこれを配信じゃなくて生で観たかった。笑そこだけは後悔してる。フォロワーのっみなさんはまた色々喋りましょうね。絶対みんな違う解釈してるだろうから交換会的なのしたいわ。多分全部正解だと思うし。てことでシゲアキ先生いつか戯曲とか書いてください!!!!(切実)